スーパーカブFI ECUのリセット

2018年以前の型(AA01/JA07/JA10/AA04)と、2018年以降(JA44以降)でECUの自己診断機能は異なる。
前者はPGM-FIチェックランプの点滅パターンとK-LINEでの通信
後者は加えてDTCとCANラインの通信をサポートする

自己診断機能のチェック

まず、ECUが自己診断の記録(通常、故障コードと呼ばれる)を保持しているか確認する。

  1. メインキーをOFFにし、SCSカプラーの青-緑/黒端子を短絡させた後、メインキーをONにする
  2. PGM-FIチェックランプが点灯することを確認する

プロセス2にてランプが点灯する場合には故障コード保持なし、点滅する場合は故障コード保持ありを意味する。
点滅のパターンは、ECUの部品番号毎に異なるため、手持ちのサービスマニュアルを参照されたい。

故障コードの削除

作業手順

自己診断の結果、異常がなければ本手順は不要である。
異常=PGM-FIのランプが点滅した場合は以下を実施して、ECUが保持している故障コードを削除する。

  1. 再びSCSカプラーの青-緑/黒端子を短絡させた状態でメインキーをONにする
  2. 短絡させた配線を抜く
  3. 5秒以内に、再度青-緑/黒の端子を短絡させる
    1. PGM-FIのランプが点滅すれば完了
    2. ランプが消灯し、点灯すると失敗

本作業のタイミング

  • 続く作業の実施前

スロットル開度センサーの原点位置リセット

作業手順

本作業は、スロットルボディに取り付けられたセンサーユニット内のスロットル開度センサーの原点位置をECUに記録させる作業である。
スロットル開度センサーは可変抵抗であり、センサーの個体値を補正する役割がある。

  1. メインキーをOFFにし、SCSカプラーの青-緑/黒端子を短絡させる(故障コード削除と同一)
  2. 油温センサーカプラーを外し、2Pの黒いカプラーを短絡させる
  3. メインキーをONにし、PGM-FIのランプが点滅することを確認する
  4. 油温センサーに取り付けた配線を10秒以内に抜く
    1. リセット成功パターン: 1.3秒間隔でランプが点滅する
    2. リセット失敗パターン: 0.3秒間隔でランプが点滅する
  5. メインキーをOFFにする

本作業のタイミング

  • スロットルボディの交換後
  • ECUの交換後

IACVの初期学習

作業手順

IACV(アイドル・エア・コントロール・バルブ)は、アイドリング時の燃焼を緻密に制御するステッピングモーターである。
本作業の目的は、アイドル時の吸入負圧を学習し、IACVを適切な制御量とすることにある。

  1. メインキーをOFFにし、SCSカプラーの青-緑/黒端子を短絡させる(故障コード削除と同一)
  2. 30分程度暖気する
    1. 暖機運転中、PGM-FIのランプが20秒間点灯し、その後消灯すれば完了

本作業のタイミング

  • 吸気排気系統の変更後
    • エアクリ、エアクリボックスの変更
    • スロットルボディの変更
    • マフラーの変更
    • エンジンの変更(ボアアップ含む)
  • センサーユニットの交換後
  • ECUの交換後